中国功夫


中国功夫とは、主に中国武術の事を指しますが、徳勝会では他の中国武術と一線を引いて中国功夫と呼んでいます。現在、世界に流布している中国武術の大半は表演武術か散打を中心とした競技武術もしくは華僑が伝えた伝統武術です。実は本物の武術は秘密裏に伝えられる為、様々障害がありなかなか外部に出回りません。

例えば、北方に武術家は南方人を嫌い伝えなかったり、また多くの伝統武術家は華僑を嫌って嘘を教えたりします。八卦掌の創始者董海川先師は、沙回回事件以来回族を嫌って遺訓にも「回族にはつたえるな!」と言ったほどです。(現在は回族の方々問題なく練習しています。)また、「京津(北京、天津の意)以外には伝えるな!」とも言ったそうです。(しかし、後年曹鐘昇老師により山東省に伝えられた。

 もちろん、外国人の私が、本当の功夫が学べる可能性は皆無と言えます。

しかし、八卦掌四世掌門人馬傳旭老師の好意により、学ぶことができ,そのことが武林界(伝統武術界)に知れ渡ると、多くの隠れた武術家方から、いろいろなこと教えていただけるようになりました。特に行意門の姚老師や何老師には、秘術の練功法「丹田気打法と五雑単操手」を伝授していただけました。

  中国功夫の練法はすべての武術、流派共通です。ただ、表現が違うだけです。

八卦では軽身功、形意では鉄布衫、太極拳では柔功のように、それぞれの特色を表現するだけです。武術の練習は準備功(柔軟等)、基本功、套路、対練、兵器器械となりますが。表演武術は準備功及び套路が多く、対練等は約束組手的なものになり、散打等の競技武術は套路より対練に力をいれます。

しかし、伝統の中国功夫は基本功が8割行います。その基本功とは、八卦掌では走圏、単操手中心で、形意拳は三体式等の椿功と五行拳の為の単操訓練になります。これらがあまり公表されずにいるのです。(特に八卦掌走圏は1975年以後、はじめて里進外扣、平起平落など口訣が公開されたため、それ以前は擺扣歩で走圏を巡るとか、踵からノッシノッシ歩くなどと言われていました。)

更に形意拳は未だ公開されていない功法が多々あります。一般に知られているのは、三体式、五行拳、十二形拳、連環拳・・・・ですが。三体式~五行拳の間の鍛練法をあまり知られていません。これらは未だ非公開なのです。

これらの方法を長年の仕来りを破って、後世に伝えようと思い、徳勝会の趣旨に賛同し協力した次第です。

 

 徳勝会 主幹 賀川雅好