気功師と気功家

301総医院 黄麗春教授(中)
301総医院 黄麗春教授(中)

気功師と気功家                             賀川雅好

 

 気功師は中国では気功によって病気の治療、予防を行う職業です。気功の治療とは、外気治療、気功按摩、気功指導等があり、これらを併用して病気の治療、予防を行います。外気治療は現在でも知られる様に手掌や手指、身体から気を放出して患者を治療する技術です。気功按摩とは手掌や手指に気を集め、その手で患者を按摩し、治療する技術です。80年代後半には外気療法や自発動功での副作用が、社会的問題になり、80年代後半からは気功按摩の方が治療の主流になっていました。気功指導は最も重要で、気功師の本当の水準の高さはここにあります。元々、気功療法を提唱した劉貴珍は気功指導によって臨床効果を上げてきました。気功指導は患者の病態、症状に応じて、各種気功は配合し、その患者の最も適した気功法を瞬時に作るのです。このため気功師は多くの気功や確かな医療知識に精通し、たくさんの臨床をこなさなければなりません。それに対して、気功家は気功を練習しその技術を高め、気功の奥義を究めようとします。その鍛練はたいへん厳しく辛いものです。そうして、気功を究め上乗の功夫に至るのです。もし、外気(内気外放)の強さやレベルでいえば、気功師より気功家の方が上だと言えるでしょう。しかし、病気の治療に強く、高度な気は要りません。的確に経穴に気を送りこんだり(補)、患者の気の滞りを流してあげれば(寫)良いのです。そのため、気功師には高いレベルの気は必要なく、高いレベルの医療知識が必要なのです。